天の川銀河パッチワーク 秋・冬編  〜カシオペヤ座からとも座の流れに散らばる星雲・星団案内〜

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銀経230°〜250°
おおいぬ,とも座領域


 冬の南の地平線付近の淡い天の川の流れです。おおいぬ座のさらに南,とも座付近には多くの散開星団が見られますが, 日本での高度が低いため,低空のもやの影響を受けやすく,好条件で眺めるのが難しいのが実情です。
 おおいぬ座のすぐ南からとも座,ほ座にかけての広大な領域には,差し渡しが40°×90°にも及ぶ巨大な超新星残骸・ガム星雲が広がります。 九州以南でないと全体を見ることはできませんが,この写真には星雲の北部の一部がかすかに写っています。
 地平線下で天の川の流れは再び濃くなっていき,南十字,ケンタウルス座を経て,再びさそり座の天の川につながります。

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  • M93(散開星団)
  • NGC2467(散開星団+散光星雲)
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銀経200°〜230°
いっかくじゅう座領域


 「冬の大三角」の中を貫く領域です。天の川の中のばら星雲,やや下側に外れたあたりのバーナードループといった,赤い散光星雲の姿が目を引きます。
 このあたりの領域は,オリオン座やシリウスなど,明るい星が天の川の西岸に多く分布し,銀河赤道面からずれていることがわかります。 夏の夜空では反対側の岸に明るい星が集まり,全体では銀河面からやや傾いた帯状の領域に明るい星が多いことが知られています。この帯を「グールド・ベルト」といい, 銀河面から傾いた腕の中で,太陽系近傍の星形成が起こった証拠と考えられています。

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銀経180°〜200°
ふたご,オリオン座領域


 すぐ右側のぎょしゃ座付近の流れと比べて暗黒帯の流れが目立たなくなり,肉眼では非常に淡い光芒のようにしか見えません。 写真にはくらげ星雲,モンキー星雲のような小振りな散光星雲がいくつか写り,さらに天の川の西側(写真の下方向)にはオリオン座の一部が入っています。
 この領域には黄道がほぼ上下方向に走っており,画面の上方向には淡く,丸い対日照の光芒が認められます。 太陽系内のちりが太陽光を散乱しているもので,天の川よりはるかに「近所」の光です。

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銀経 140°〜180°
ペルセウス,ぎょしゃ座領域


 カシオペヤからやや南に下ったこのあたりは,銀経が180°付近にあたります。つまり,銀経0°の銀河系中心方向の正反対にあたり, 全天で最もその流れが淡い領域です。ただ,北半球ではほぼ天頂高く見える領域でもあるため,頼りない流れではあっても,美しい微光星や暗黒帯の流れを双眼鏡で追うことは容易にできます。
 画面の下側には,赤いカリフォルニア星雲がはっきり見えます。その周辺には星の数が少ない領域が筋状に広がり,暗黒星雲を形成する星間ガスが非常に豊富なことがわかります。

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銀経120°〜140°
カシオペヤ座領域


 右側から連なる夏の天の川と,左側に続く冬の天の川の流れをつなぐ領域です。 双眼鏡などでも楽しめる数多くの散開星団が散らばり,冬の星座達に向かって,その流れはどんどん淡くなっていきます。
このあたりは最も北寄りを流れており,写真のわずかに上に外れたあたりに北極星が輝きます。

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