LDN1773(パイプ星雲)/暗黒星雲,タイプ6 Ir |
赤経 | 17h 30m (概略位置) |
赤緯 | -26° (概略位置) |
見かけサイズ | 420'×120' |
実サイズ | 約100光年 |
等級 | - |
距離 | N/A |
撮影メモ:
夏の天の川の西岸,さそり座のα星アンタレス付近を標準〜中望遠レンズで撮影すると,大変複雑に暗黒星雲が入り組んでいることがわかります。
特に天の川からアンタレスに向かって濃い流れが伸びている様子が目を引きます。この流れの西の先端にへびつかい座ρ星があり,この星の光を受けて青白く発光しています。
この部分にはIC4603-4という散光星雲の番号が付けられていますが,実態はこの巨大な暗黒星雲のほんの一部分というわけです。
また,アンタレス付近にはこの他にもIC4605, IC4606, Sh2-9といった,赤やオレンジ色のカラフルな星雲が広がっており,全天でも屈指の美しい天体写真の被写体です。
写真の左の方には,東西に細長く伸びた巨大な暗黒星雲の塊があります。差し渡しは約7度あり,実長は100光年にも及びます。空の状態が良ければ,双眼鏡でもその形がはっきりわかります。
その全体の形から,「パイプ星雲」という通称をもっています。あまりに大きいため,暗黒星雲の一般的なカタログである「バーナードカタログ」では,複数の番号が割り当てられています。
そこでパイプ星雲全体を指す場合は,別のカタログ番号 "LDN 1773" を使うのが一般的です。パイプ星雲のすぐ北に,S字状暗黒星雲(B72)があります。
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