夏の星雲・星団めぐり
パイプ星雲〜アンタレス付近


写真をクリックすると拡大画像が表示されます。

撮影日時:2025年6月27日 23:19から25:15にかけての6分露出×10コマコンポジットの
2フレームをモザイク合成
光学系:AFズームニッコール80-200mmF2.8ED (f=80mm, 絞りF4.0)
アイダスLPS-D1光害カットフィルタ使用
ケンコースカイメモS赤道儀にて自動ガイド
CMOSカメラ:ZWO ASI2600MC Pro (冷却温度-8℃)
撮影地:福島県古殿町・三株高原

カメラ設定:記録フォーマット…16bit FITS→16bit TIFF(6248×4176)変換
撮像サイズ…23.5×15.7mm,ゲイン…100



LDN1773(パイプ星雲)/暗黒星雲,タイプ6 Ir
赤経17h 30m (概略位置)
赤緯-26° (概略位置)
見かけサイズ420'×120'
実サイズ73-85光年
等級 -
距離600-700光年
その他のIDB 59, 65-67, 78
B 44/暗黒星雲,タイプ5 Ir
赤経16h 40m 36.0s (2000.0)
赤緯-24°11' 22" (2000.0)
見かけサイズ32.0×10.0'
実サイズN/A
等級 -
距離N/A
撮影メモ: 夏の天の川の西岸,さそり座のα星アンタレス付近を標準〜中望遠レンズで撮影すると,大変複雑に暗黒星雲が入り組んでいることがわかります。 特に天の川からアンタレスに向かって,長さ10度にも及ぶ濃い流れが伸びている様子が目を引きます。 この流れにはB44など,いくつもの暗黒星雲のカタログ番号が与えられており,西の先端部はへびつかい座ρ星の光を受けて青白く発光しています。 この部分にはIC4603-4という反射星雲の番号が付けられていますが,実態はこの巨大な暗黒星雲のほんの一部分です。 また,アンタレス付近にはこの他にもIC4605, IC4606, Sh2-9といった,赤やオレンジ色のカラフルな星雲が広がっており,全天でも屈指の美しい天体写真の被写体です。
写真の左下には,東西に細長く伸びた巨大な暗黒星雲の塊が見えます。差し渡しは約7度あり,実長は70〜80光年にも及びます。空の状態が良ければ,双眼鏡でもその形がはっきりわかります。 その全体の形から,「パイプ星雲」という通称をもっています。あまりに大きいため,暗黒星雲の一般的なカタログである「バーナードカタログ」では,複数の番号が割り当てられています。 パイプ星雲全体を指す場合は,別のカタログ番号 "LDN 1773" を使うのが一般的です。パイプ星雲のすぐ北に,S字状暗黒星雲(B72)があります。

アンタレス〜パイプ星雲付近の天体分布 アンタレス〜パイプ星雲付近の天体分布




銀河中心周辺の天体群

パイプ星雲とその周辺


御意見,御感想をお聞かせください。 →メールはこちらまで・・・

Copyright(c) 2015 by Naoyuki Kurita, All rights reserved.
ホームページ 夏の星雲・星団写真集 へびつかい座