夏の星雲・星団めぐり
M8, M20(干潟星雲と三裂星雲,いて座)


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撮影日時:2019年8月3日 23:18から24:03にかけての5分露出4コマコンポジットの
2フレームをモザイク合成
光学系:タカハシ16cmイプシロン (530mm, F3.3)
アイダスLPS-V4光害カットフィルタ使用
タカハシEM-200赤道儀+Lacerta M-GENにて完全自動ガイド
デジタルカメラ:キヤノンEOS 6D (改造)
撮影地:長野県小海町・八千穂高原

カメラ設定:記録フォーマット…14bit CCD-RAW→16bit TIFF(5472×3648)変換
撮像サイズ…36×24mm,感度…ISO2500相当



撮影メモ: いて座の銀河の真っ直中にある,視直径1度ほどの散光星雲がM8(NGC6523)です。肉眼でもその姿をはっきり見ることができます。 Lagoon Nebulaという愛称を持ち,「干潟星雲」と訳されています。まわりの暗黒星雲の流れが,環礁に囲まれた熱帯の孤島のような姿を連想させるため, この名があります。干潟星雲の中には直径1光年ほどの「グロビュール」という星の卵が多数存在し,星の生成が活発に行われています。 M8とほぼ重なるように散開星団NGC6530の星々も見られ,星雲との対比が大変美しく眺められます。実はこの星団はM8よりもはるかに後方に位置しています。 また十分に暗い空で撮影すると,M8のすぐ東側には,まるで薄墨を流したかのように淡い散光星雲IC1274-5が広がっている様子を捉えることができます。
M8の1.5度ほど北にあるやや小ぶりな星雲がM20(NGC6514)です。 星雲の前を暗黒星雲が横切り,3つに裂けたようなのでTrifid Nebula(三裂星雲)という愛称を持ちます。 M8に比べて淡いので,空の条件が悪いところで鑑賞するのはやや難しいでしょう。
M8とM20は,それぞれ2500光年,2200光年の距離に浮かぶ巨大な銀河系内ガスが,近傍の恒星によって輝いている姿です。
もうひとつ,M20の北東に40分ほど離れたところに,小型の散開星団M21を見つけることができます。 視直径は10分,50個ほどの星を数えることができ,小型の双眼鏡でも簡単に見つけることができます。

M8クローズアップ
M20クローズアップ
M8と火星のランデブー(2001年)
M8と火星のランデブー(2003年)
M8と土星のランデブー(2018年)

M8のスペクトル (別ウィンドウ)
M20のスペクトル (別ウィンドウ)

M8 (NGC6523)/散光星雲,タイプ1 E
赤経18h 03m 48.0s (2000.0)
赤緯-24°23' 00" (2000.0)
見かけサイズ60×35'
実サイズ44×26光年
等級6.0等
距離2500光年
その他のIDIC1271, LBN25
M20 (NGC6514)/散光星雲,タイプ1 E+R
赤経18h 02m 18.0s (2000.0)
赤緯-23°02' 00" (2000.0)
見かけサイズ29×27'
実サイズ18×17光年
等級9.0等
距離2200光年
その他のIDLBN27
M21 (NGC6531)/散開星団,タイプd, III 1 p n
赤経18h 04m 42.0s (2000.0)
赤緯-22°30' 00" (2000.0)
見かけサイズ10'
実サイズ17光年
星数18
等級6.5等
距離2960光年




干潟星雲周辺の星雲群


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