春の星雲・星団めぐり
クエーサー3C273 (おとめ座)



撮影日時:2017年4月29日 24:50から25:12にかけての3分露出8コマをコンポジット
光学系:ミード25cmシュミットカセグレン,レデューサ使用 (1600mm, F6.3)
ミードLX200赤道儀+Pictor 201XT にて完全自動ガイド
デジタルカメラ:ニコンD810A
撮影地:山梨県北杜市大泉町

カメラ設定:記録フォーマット…14bit CCD-RAW→16bit TIFF(4080×4080)変換
撮像サイズ…20×20mm
感度…ISO6400相当,ホワイトバランス…太陽光



QSO 3C273/クエーサー
赤経12h 29m 6.9s (2000.0)
赤緯+02°03’07" (2000.0)
見かけサイズ20" 以下
赤方偏移0.158
等級12.8等
距離約20億光年
所属する銀河群-
その他のIDPGC 41121
ハッブル定数 H0=70 km s-1 Mpc-1とし,
標準宇宙モデルより計算される概略値
撮影メモ: アマチュア用の小望遠鏡で撮影することができる,恐らく最も遠い天体のひとつを御紹介しましょう。 春の夜空で最も美しい二重星といわれるおとめ座γ星・ポリマの北西の一角を撮影したものです。 矢印で示した恒星状の天体は,「クエーサー」と呼ばれる深宇宙天体です。 クエーサー(Quasar)とは,Quasi-Stellar Object (準恒星状天体:QSO)の略で,日本語で「準星」とも呼ばれます。 その赤方偏移が光速の90%以上を示すものが多く,私たちから数十億光年以上も離れた遠宇宙に数多く発見されています。 このクエーサー3C273はその中でも最初に発見されたクエーサーで,眼視光度が12.8等で最も明るいものです。 銀河系からの距離は約20億光年と推定されます。
クエーサーはその気の遠くなるような距離にも関わらず,大変明るく見えるために莫大なエネルギーを放出していると考えられていて,私達の銀河系全体の数千倍から数万倍にも相当します。 宇宙創生の初期に生まれた,非常に活動的な銀河の「たまご」の中心核であるなど,いくつかの説が考えられていますが,その正体は現代天文学の謎のひとつです。
3C273のスペクトル
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Leo II

おとめ座銀河団


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