クエーサー3C273のスペクトル



撮影日時:2013年4月13日 21:35から21:51にかけての15分露出2コマをコンポジット
光学系:ミード25cmシュミットカセグレン (2500mm, F10.0)
+SBIG DSS7分光器 (スリット幅0.05mm)
ミードLX200赤道儀+Pictor 201 XTにて完全自動ガイド
冷却CCDカメラ:SBIG ST-402ME (冷却温度-20℃)
撮影地:山梨県北杜市大泉町

※上段はスペクトルの取得画像,下段は擬似カラー処理したもの



輝線
観測波長λm7569.1 Å5627.8 Å
文献値λ06562.9 Å4861.3 Å
z0.15330.1577
後退速度 v4.250×104 km/s4.361×104 km/s
推定距離 D19.79億光年20.31億光年
(平均)20.05億光年

z = ( λm - λ0 ) / λ0
v = c × (( 1 + z )2 - 1 ) / (( 1 + z )2 + 1 )
D = 3.26 × v / H0 (100万光年)
  (c : 光速,H0 = 70 km/s/Mpc)
クエーサー3C273のスペクトルを取得し,波長の強度分布を示したものです。 取得画像中,縦に伸びた輝線は地球大気,光害に由来するスペクトルで,これらの影響を差し引いてグラフ化しています。
クエーサーには水素原子に由来するHα,Hβの2本の輝線スペクトルが明確に確認できます。ともに長波長側にずれ,zが0.15を超える大きな赤方偏移を示していることがわかります。 右の表には2本の輝線の観測波長から求めたクエーサーまでの距離を示しています。ハッブル定数 H0 = 70 km/s/Mpcとすると, 約20億光年と求まります。


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