春の星雲・星団めぐり
NGC4038,4039(アンテナ銀河,からす座)



撮影日時:2017年2月3日 26:35から27:09にかけての3分露出12コマをコンポジット
光学系:ミード25cmシュミットカセグレン,レデューサ使用 (1600mm, F6.3)
ミードLX200赤道儀+Pictor 201XT にて完全自動ガイド
デジタルカメラ:ニコンD810A
撮影地:山梨県北杜市大泉町

カメラ設定:記録フォーマット…14bit CCD-RAW→16bit TIFF(4080×4080)変換
撮像サイズ…20×20mm
感度…ISO6400相当,ホワイトバランス…太陽光



NGC4038/系外星雲,タイプSB?(s:)m pec II-III
赤経12h 01m 52.8s (2000.0)
赤緯-18°51' 54" (2000.0)
見かけサイズ5.3'×3.1'
視線速度+1663km/s
等級10.9等
距離6300万光年
所属する銀河群NGC4038銀河群
その他のIDUGCA 264, ESO 572-47
Arp 244, MCG -3-31-14
PGC 37967
NGC4039/系外星雲,タイプSA(s)m pec III:
赤経12h 01m 53.8s (2000.0)
赤緯-18°53' 06" (2000.0)
見かけサイズ3.1'×1.6'
視線速度+1655km/s
等級11.1等
距離6300万光年
所属する銀河群NGC4038銀河群
その他のIDUGCA 265, ESO 572-48
MCG -3-31-15, PGC 37969
撮影メモ: からす座の西の外れに位置する有名な衝突銀河です。写真の北側(上)がNGC4038,南側(下)がNGC4039です。 互いの銀河の大きさは5分ほど,明るさは10〜11等級で,口径20cm程度の望遠鏡を使えば,大変淡い光芒が2つ寄り添っている様子が眼視でわかります。
この衝突ペアの東側には,2本の長い触角のような構造が伸びていることが知られており,これがこのペアのニックネームの由来ともなっています。
このアンテナ構造は,2つの銀河の衝突によって銀河間空間に弾き飛ばされた星たちが作っていると考えられています。下側(南側)に伸びるアンテナは見かけの長さが約13分あり,実長は約23万光年に相当します。 またNGC4038本体には,青っぽい光点が腕に沿って連なっている様子がわかります。 これは衝突の衝撃によって集中的に恒星が生まれる,「スターバースト」という現象が起きている部分と言われます。 6300万光年の彼方で起きている,壮絶な銀河同士の衝突現場です。




NGC4030

NGC4045, NGC4073付近


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