上部タンジェントアーク



太陽高度が低いときの内暈と上部タンジェントアーク

撮影日時:2006年2月25日 16:17(露出1/500秒)
光学系:シグマ15mmF2.8 EX FISHEYE (絞り F11.3)
デジタルカメラ:フジフイルム FinePix S2Pro
撮影地:山梨県北杜市大泉町

カメラ設定:記録フォーマット…JPEG-FINE(3024×2016)
CCD感度…ISO100相当,ホワイトバランス…オート




太陽高度が高いときの上部タンジェントアーク

撮影日時:2006年4月15日 14:02(露出1/500秒)
光学系:シグマ15mmF2.8 EX FISHEYE (絞り F11.3)
デジタルカメラ:フジフイルム FinePix S2Pro
撮影地:東京都国分寺市

カメラ設定:記録フォーマット…JPEG-FINE(3024×2016)
CCD感度…ISO100相当,ホワイトバランス…オート



タンジェントアーク発生の原理図
上:氷の結晶の模式図
下:氷晶による太陽光の屈折の光路図
 太陽の周りに現れる内暈(22度ハロ)の上部が,ひときわ明るく見えることがあります。 太陽高度が低いときはV字型に見え,高度が高くなるにつれて角度が開いていき,次第に内暈に接するカーブ状に変化していきます。 内暈に接するように見えることから「上部タンジェントアーク(Upper tangent arc)」,「上端接弧(じょうたんせっこ)」と呼ばれます。 全く対称に太陽の下側に見える場合は「下部タンジェントアーク(Lower tangent arc)」,「下端接弧(かたんせっこ)」と呼びます。

 タンジェントアークが観測される条件は,上空に右図のような細長い形状の氷晶が多い場合です。
このような氷の結晶は,側面が水平に向いた状態が安定します。よって2つの側面を通る22度の屈折光は,太陽の上下からの光のみが観測者に届きます。 太陽が高くなるにつれて,上下からずれた部分からの光も届くようになり,内暈に接するゆるやかなカーブとなります。 太陽の高度が40度を超えると上下のタンジェントアークが全周に渡ってつながり,楕円形の「外接ハロ」という別の名前になります。 仮に太陽が天頂にあると氷晶の配向の影響がなくなり,内暈と外接ハロは完全に重なります。




日暈

外接ハロ


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