ウォルフ黒点相対数の集約結果




図1 修正ウォルフ黒点相対数の日別変動 (2007年5月〜2023年12月)





図2 修正ウォルフ黒点相対数の月平均値変動 (2007年5月〜2023年12月)

シアン... 北半球,マゼンタ... 南半球,黄色...合計
破線... 月平均値,実線... 13か月移動平均



 太陽活動の第24周期*の全期間と第25周期の前半を含む,2007年5月から2023年12月における黒点相対数の1日単位の変動(図1)と月平均値の変動(図2)です。 ここで示す修正ウォルフ黒点相対数(R')は,R' = k (10 g' + f ) より北半球・南半球に分けて求めています。 k は観測機材・観測者間の数値のずれの補正係数 (本観測では k = 1 ),g' はHα画像で確認した活動領域の数, f は白色光画像で確認した半暗部を含む黒点の総数です。 本観測では,黒点を伴わない活動領域を「黒点数0の黒点群」として相対数R'に含める独自の集計方法を採っています。よって公式な黒点相対数と定義が異なります。
 太陽活動の第24周期は,北半球と南半球の非対称性が過去の周期に比べて大きいのが特徴です。図2に実線で示した月平均相対数の13か月移動平均は, 北半球は2011年中盤に最大となったのに対し,南半球は約2年半遅れて2014年初めにピークを迎えました。 また,南半球の活動は2014年後半から2016年にかけて急速に減衰したのに対し,北半球の相対数はこの間40前後を保ちました。 20世紀以降に限ると,第24周期の黒点相対数の最大値は1905年の第14周期に次ぐ小ささで,近年では極めて低調な活動となりました。 2020年1月から相対数が再び増加し始め,次の第25周期が始まりました。2021年から2022年にかけて相対数が直線的に立ち上がりましたが,2023年後半から飽和傾向が現れています。


* 1755年以降の約11年周期の黒点数の増減を基準とした,1755年〜1766年を第1周期とする通し番号

※出典元を明記すれば転載自由。この観測結果は個人によるものであり,公的組織・団体による信頼性の保証はありません。
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