TEST REPORT
オリンパスC-5050Z デジタルカメラで
天体写真
オリンパスC-5050Z---


 従来,月・惑星の拡大撮影の主力に用いてきたC-2020Zの代替として,500万画素のコンパクトデジカメ・C-5050Zを2002年12月に導入しました。 CCD以外はC-2020Zをほぼ踏襲した機種ですが(もちろん使いこなせないほどの新機能が満載されています),JPEG・TIF形式以外にCCD-RAWデータの出力に対応し, 1秒以上の長秒時露光時のノイズリダクション処理が可能になりました。ここではこのデジカメによる天体写真の作例を御紹介します。




 ※ここに掲載している写真は,すべて2560×1920のフルサイズで撮影し,1024×768に縮小しています。断り書きがないものは低圧縮JPEG形式で保存しています。
(ファイルサイズは各30〜90KB)

テスト撮影風景 ミード25cm望遠鏡にボーグ製カメラアダプタでデジカメ本体を接続している。 撮影画像をモニタで確認しているところ

1. 星景の作例写真

昇る北斗七星 月明下の北東の林から昇る北斗七星の一部。山梨県大泉村で撮影。
2002年12月13日 23:03 露出16 秒
レンズ焦点距離7.1mm F1.8
CCD感度ISO400相当

2. 月面の作例写真

月齢9.3 ボーグ製アダプターでカメラを望遠鏡の接眼部に接続し,月齢9.3の全体を捉えたもの。月の撮影はAFが使えるので非常に楽。 しかもAFエリアを写野内で自由に移動でき,望遠鏡を動かさなくても欠け際を使って正確なピントが出せる。 この作品はCCD-RAW形式で保存し,専用ソフトで8bit TIFに展開している。山梨県大泉村で撮影。
2003年1月12日 19:58 露出1/250秒,レンズ焦点距離7.1mm F1.8
ミード25cmシュミットカセグレン+レデューサ,LV25mmアイピース(64倍)でコリメート撮影
合成焦点距離454mm(35mmフィルム換算2224mm)
CCD感度ISO64相当
Photoshop5.5にてアンシャープマスク処理

コペルニクス付近 レンズを望遠側にし,欠け際のコペルニクス・クレータ付近を撮影したもの。写野中央の約80%をトリミングして掲載している。山梨県大泉村で撮影。
2003年1月12日 19:09 露出1/40秒,レンズ焦点距離14.5mm F2.3
ミード25cmシュミットカセグレン,LV25mmアイピース(64倍)でコリメート撮影
合成焦点距離928mm(35mmフィルム換算4547mm)
CCD感度ISO100相当
Photoshop5.5にてアンシャープマスク処理

3. 惑星の作例写真

金星 白昼に撮影した金星。レンズを最望遠側にするとシームレスでデジタルズームに切り替わる。便利ではあるが無段階のため,倍率の再現性がないのが欠点。山梨県大泉村で撮影。
2002年12月15日 10:40〜43 露出各1/800秒,レンズ焦点距離66mm(デジタル3倍ズーム併用) F2.6
ミード25cmシュミットカセグレン,ナグラーType5 16mmアイピース(156倍)でコリメート撮影
合成焦点距離10300mm(35mmフィルム換算50470mm)
CCD感度ISO64相当
Photoshop 5.5にて7コマをコンポジット,レベル調整,アンシャープマスク処理

木星 1/15秒露出の7コマをコンポジットした木星像。山梨県大泉村で撮影。
2003年1月12日 25:05〜13 露出各1/15秒,レンズ焦点距離43mm(デジタル2倍ズーム併用) F2.6
ミード25cmシュミットカセグレン,LV12mmアイピース(208倍)でコリメート撮影
合成焦点距離8944mm(35mmフィルム換算43825mm)
CCD感度ISO200相当
Photoshop 5.5にて7コマをコンポジット,レベル調整,アンシャープマスク処理

土星 木星と同様に撮影した土星像。シーイングの悪い日の撮影だが,カシニの空隙がわかる。山梨県大泉村で撮影。
2003年1月12日 22:12〜14 露出1/10秒,レンズ焦点距離74.5mm(デジタル3.5倍ズーム併用) F2.6
ミード25cmシュミットカセグレン,LV12mmアイピース(208倍)でコリメート撮影
合成焦点距離15496mm(35mmフィルム換算75930mm)
CCD感度ISO400相当
Photoshop 5.5にて7コマをコンポジット,レベル調整,アンシャープマスク処理

4. 星座の作例写真

オリオン座 35mm換算で約35mmに相当する広角側にして撮影したオリオン座。開放F値が1.8と非常に明るく,10等級ほどの星まで確認できる。最長露出が16秒なのが実に惜しい。 赤外カットフィルタの特性か,星の彩度はあまり高くない。この写真はノイズリダクション処理を行っている(処理のON/OFFの指定が可能)。山梨県大泉村で撮影。
2002年12月13日 23:24〜26 露出16秒
レンズ焦点距離7.1mm F1.8
CCD感度ISO400相当
ステライメージ3で3コマをコンポジット,2×2ソフトビニング,レベル調整

5. 星雲・星団の作例写真

M42 オリオン大星雲M42をコリメート撮影したもの。赤い星雲の感度はほとんどなく,星雲は青味がかって写る。山梨県大泉村で撮影。
2002年12月13日 22:22〜22:39 露出各16秒,レンズ焦点距離7.1mm F1.8
タカハシ12.5cmフローライト屈折,LV25mmアイピース(40倍)でコリメート撮影
合成焦点距離284mm(35mmフィルム換算1390mm)
CCD感度ISO400相当
ステライメージ3にて2×2ビニング処理した18コマコンポジット,レベル,トーンカーブ調整,スターシャープフィルタ処理

M46 とも座の散開星団M46をコリメート撮影したもの。星団内部の惑星状星雲・NGC2438が緑色に写っている。山梨県大泉村で撮影。
2002年12月13日 26:29〜26:34 露出各16秒,レンズ焦点距離7.1mm F1.8
タカハシ12.5cmフローライト屈折,LV25mmアイピース(40倍)でコリメート撮影
合成焦点距離284mm(35mmフィルム換算1390mm)
CCD感度ISO400相当
ステライメージ3にて2×2ビニング処理した5コマコンポジット,レベル,トーンカーブ調整,スターシャープフィルタ処理




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