TEST REPORT
オリンパス C-2020 Z デジタルカメラで
天体写真
オリンパスC-2020Z---


 ここでは2000年4月に購入した200万画素デジカメ・オリンパスC-2020 Zで試験撮影したいくつかの天体画像を紹介します。 開放F値2.0の光学3倍ズームレンズ,16秒まで設定可能なマニュアル露出モードを搭載しているのが特徴です。
 最近の高機能デジタルカメラでは,コリメート法による月面や惑星の写真について,かなり良い結果が報告されています。 それに加えてフィルム代を気にせずに手軽に大量に撮影できるのも魅力です。
 ここでは月面の他にも,16秒露出で撮影してみた星座や星雲・星団の写真も掲載しています。 冷却CCDや銀塩フィルムに比べれば到底実用になるレベルではありませんが,メガピクセル超デジタルカメラの天体写真特性を御覧下さい。


 ※ここに掲載している写真は,惑星写真を除いて1600×1200のフルサイズで撮影し,ノートリミングで640×480に縮小しています。
(ファイルサイズは各15〜50KB)


1. 薄暮の作例写真

薄明下の有明月 薄明が始まった夜明けの東の空にかかる有明月を捉えたもの。薄雲がかかっていたため,月がややにじんでいる。山梨県大泉村で撮影。
2000年4月30日 4:24 露出1/1.6 秒
レンズ焦点距離9.6mm F2.8
CCD感度ISO100相当
画像処理は行っていない

2. 月面の作例写真 (シーイング4/10の条件下での撮影)

月齢20.9 ミード製アダプターでカメラを望遠鏡の接眼部に接続し,月齢20.9の全体を捉えたもの。悪シーイングでの撮影だが,画像復元処理により欠け際の地形はかなり細かいところまで写っている。東京都内で撮影。
2000年4月25日 1:12 露出1/80秒,レンズ焦点距離6.6mm F2.0
ビクセン20cmバイザック,LV25mmアイピース(72倍)でコリメート撮影
合成焦点距離475mm(35mmフィルム換算2550mm)
CCD感度ISO100相当
ステライメージ3にてウィーナフィルタによる画像復元処理

雨の海 カメラを望遠側にして雨の海付近を拡大したもの。画像復元処理により,欠け際のクレーターやアペニン山脈がわかる。東京都内で撮影。
未処理画像
2000年4月25日 1:19 露出1/20秒,レンズ焦点距離19.1mm F2.8
ビクセン20cmバイザック,LV25mmアイピース(72倍)でコリメート撮影
合成焦点距離1375mm(35mmフィルム換算7400mm)
CCD感度ISO100相当
ステライメージ3にてウィーナフィルタによる画像復元処理

3. 惑星の作例写真 (シーイング5/10の条件下での撮影)

 1600×1200ピクセルを1024×768にトリミングし,640×480に縮小して掲載。

木星 1/10秒露出の14コマをコンポジットした木星像。南北2本の赤道縞(NEBとSEB)が顕著で,濃淡の様子もわかる。 SEB(写真の上側の縞)の右の方に黒い影がかすかに見えるが,これはガリレオ衛星のひとつ,イオが木星面に落とす影である。東京都内で撮影。
未処理画像
2000年9月18日 25:04〜07 露出各1/10秒,レンズ焦点距離38.2mm(デジタル2倍ズーム併用) F2.8
ビクセン20cmバイザック,LV12mmアイピース(150倍)でコリメート撮影
合成焦点距離5730mm(35mmフィルム換算30700mm)
CCD感度ISO100相当
Photoshop 4.0にて14コマをコンポジット,レベル調整,アンシャープマスク処理

土星 木星と同様に撮影した土星像。1秒以下の高速シャッターが切れるので,土星本体の淡い模様,輪に落ちる土星の影や,カシニの空隙がわかる。東京都内で撮影。
未処理画像
2000年9月18日 25:10〜14 露出1/4秒,レンズ焦点距離38.2mm(デジタル2倍ズーム併用) F2.8
ビクセン20cmバイザック,LV12mmアイピース(150倍)でコリメート撮影
合成焦点距離5730mm(35mmフィルム換算30700mm)
CCD感度ISO100相当
Photoshop 4.0にて20コマをコンポジット,レベル調整,アンシャープマスク処理

4. 星座の作例写真

さそり座 レンズを広角側(35mmフィルム換算で約35mm)にし,16秒露出で撮影したさそり座。天の川,アンタレスの色,星座の形がはっきりわかる。感度をISO400に上げたため,ややノイズが目立つ。山梨県大泉村で撮影。
未処理画像
2000年4月29日 0:35 露出16秒
レンズ焦点距離6.6mm F2.0
CCD感度ISO400相当
ステライメージ3で2×2ビニングした3コマをコンポジット,レベル調整

カシオペヤ座 レンズの焦点距離を中間域の70mm(35mmフィルム換算)にして,北西の空低いカシオペヤのW字を撮影。秋の天の川に浸る星座のため,微光星がたくさん写っている。山梨県大泉村で撮影。
2000年6月4日 2:42 露出16秒
レンズ焦点距離13.1mm F2.2
CCD感度ISO400相当
ステライメージ3で3コマをコンポジット,レベル調整

こと座 35mm換算で約105mmに相当する望遠側にして撮影したこと座。広角側のF2.0に比べて開放F値が2.8とやや暗くなるが,撮影可能な最微光星は約9等級に及ぶ。山梨県大泉村で撮影。
2000年6月4日 2:26 露出16秒
レンズ焦点距離19.1mm F2.8
CCD感度ISO400相当
ステライメージ3で3コマをコンポジット,レベル調整

5. 星雲・星団の作例写真

M42 オリオン大星雲M42をコリメート撮影したもの。ノイズ除去などは行っていないが,ビニング処理により星雲のかなり淡いところまで写っている。山梨県大泉村で撮影。
未処理画像
2000年11月18日 22:33〜22:45 露出各16秒,レンズ焦点距離6.6mm F2.0
タカハシ12.5cmフローライト屈折,LV25mmアイピース(40倍)でコリメート撮影
合成焦点距離264mm(35mmフィルム換算1420mm)
CCD感度ISO400相当
ステライメージ3にて2×2ビニング処理した7コマコンポジット,レベル,トーンカーブ調整,スターシャープフィルタ処理

M104 おとめ座の系外星雲・ソンブレロ星雲M104を捉えたもの。ビニング処理した複数コマのコンポジットによって,星雲の暗黒帯が浮かび上がった。山梨県大泉村で撮影。
未処理画像
2001年5月11日 22:46〜22:55 露出各16秒,レンズ焦点距離6.6mm F2.0
ミード25cmシュミットカセグレン,LV25mmアイピース(100倍)でコリメート撮影
合成焦点距離660mm(35mmフィルム換算3544mm)
CCD感度ISO400相当
ステライメージ3にて2×2ビニング処理した8コマコンポジット,レベル,トーンカーブ調整,スターシャープフィルタ処理

6. 二重星の作例写真

アルビレオ 200倍+望遠側で強拡大したはくちょう座β星・アルビレオを撮影したもの。離角34.6"のブルーとオレンジの美しい二重星。オレンジの主星は色がとび,白っぽく写る。山梨県大泉村で撮影。
2000年4月29日 0:26 露出5秒,レンズ焦点距離19.1mm F2.8
タカハシ12.5cmフローライト屈折,LV5mmアイピース(200倍)でコリメート撮影
合成焦点距離3820mm(35mmフィルム換算20550mm)
CCD感度ISO400相当
画像処理は行っていない



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