NGC4388のスペクトル



撮影日時:2024年5月3日 20:28, 露出10分
光学系:ミード25cmシュミットカセグレン (2500mm, F10.0)
+SBIG DSS7分光器 (スリット幅0.05mm)
ミードLX200赤道儀+Lacerta M-GENにて完全自動ガイド
冷却CCDカメラ:SBIG ST-402ME (冷却温度-15℃)
撮影地:山梨県北杜市大泉町

※上段はスペクトルの取得画像,下段は擬似カラー処理したもの



輝線S IIO IIIO III
観測波長λm6614 Å6779 Å4994 Å5043 Å
文献値λ06562.9 Å6730 Å4959 Å5007 Å
z7.786×10-37.281×10-37.058×10-37.190×10-3
後退速度 v2327 km/s2176 km/s2110 km/s2149 km/s

z= (λm0)/λ0
v= c*((1+z)2-1)/((1+z)2+1)  (c: 光速)
セイファート銀河・NGC4388中心部のスペクトルを取得し,波長の強度分布を示したものです。
銀河の活動領域に含まれる星間ガスに由来して,プロファイルには水素原子によるHα線の他,電離酸素,電離硫黄による輝線が確認されます。 右の表にはこれらの波長の赤方偏移から求めたNGC4388の後退速度を示しています。 4本の輝線の平均値は約2190 km/sであり,ハッブル定数H0=70 km/s/Mpcとすると距離は約1億光年と求まりますが,実際には5700万光年であることがわかっています。 このずれは,おとめ座銀河団内部の個々の銀河の局所的な運動成分の影響が大きいためです。


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