NGC4151のスペクトル



撮影日時:2023年1月21日 25:44から25:54にかけての10分露出2コマをコンポジット
光学系:ミード25cmシュミットカセグレン (2500mm, F10.0)
+SBIG DSS7分光器 (スリット幅0.05mm)
ミードLX200赤道儀+Lacerta M-GENにて完全自動ガイド
冷却CCDカメラ:SBIG ST-402ME (冷却温度-25℃)
撮影地:山梨県北杜市大泉町

※上段はスペクトルの取得画像,下段は擬似カラー処理したもの



輝線O IIIO IIIS II
観測波長λm6588.0 Å4879.8 Å4979.0 Å5026.1 Å6754.9 Å
文献値λ06562.9 Å4861.3 Å4959 Å5007 Å6730 Å
赤方偏移 z3.825×10-33.806×10-34.033×10-33.815×10-33.700×10-3
後退速度 v(km/s)1.145×1031.139×1031.207×1031.142×1031.108×103
推定距離 D5333万光年5307万光年5623万光年5319万光年5160万光年
(平均)5349万光年

z= (λm0)/λ0
v= c*((1+z)2-1)/((1+z)2+1)
D= 3.26*v/H0 (100万光年)
  (c: 光速,H0=70 km/s/Mpc)
NGC4151(サウロンの目)の中心核のスペクトルを取得し,波長の強度分布を示したものです。 セイファート銀河であるNGC4151の中心部にはブラックホールを高速で周回する降着円盤があると考えられており,豊富な星間ガスから散光星雲に一般的に見られる複数の輝線スペクトルが発せられています。 これらの輝線スペクトルの赤方偏移から,NGC4151までの距離を推定することができます。 右の表には観測される5本の輝線の波長から求めた距離を示しています。ハッブル定数H0=70 km/s/Mpcとすると, 平均値は約5350万光年と求まります。


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