輝線 | Hα | Hβ | O III | O III | S II |
観測波長λm | 6588.0 Å | 4879.8 Å | 4979.0 Å | 5026.1 Å | 6754.9 Å |
文献値λ0 | 6562.9 Å | 4861.3 Å | 4959 Å | 5007 Å | 6730 Å |
赤方偏移 z | 3.825×10-3 | 3.806×10-3 | 4.033×10-3 | 3.815×10-3 | 3.700×10-3 |
後退速度 v(km/s) | 1.145×103 | 1.139×103 | 1.207×103 | 1.142×103 | 1.108×103 |
推定距離 D | 5333万光年 | 5307万光年 | 5623万光年 | 5319万光年 | 5160万光年 |
(平均) | 5349万光年 |
z= (λm-λ0)/λ0
v= c*((1+z)2-1)/((1+z)2+1)
D= 3.26*v/H0 (100万光年)
(c: 光速,H0=70 km/s/Mpc)
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NGC4151(サウロンの目)の中心核のスペクトルを取得し,波長の強度分布を示したものです。
セイファート銀河であるNGC4151の中心部にはブラックホールを高速で周回する降着円盤があると考えられており,豊富な星間ガスから散光星雲に一般的に見られる複数の輝線スペクトルが発せられています。
これらの輝線スペクトルの赤方偏移から,NGC4151までの距離を推定することができます。
右の表には観測される5本の輝線の波長から求めた距離を示しています。ハッブル定数H0=70 km/s/Mpcとすると,
平均値は約5350万光年と求まります。
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